「法学部はやめとけ」という言葉をよく耳にしますが、本当に法学部は避けるべきなのでしょうか？
本記事では、法学部の実態と進学に際して考慮すべき点や、法学部が向いている人と向いていない人の特徴を解説します。
就職の厳しさ、学業の難しさ、留年のリスク…。
法学部には進学する前に知っておくべきいくつかの厳しい現実を知っておきましょう。
法学部はやめとけと言われる理由
- 就職が難しい
- 学業の難しさ
- 留年が多い
などの理由から「やめとけ」と言われています。
就職が難しい。法曹界のドアは狭い
法学部のの学生が思い描く職業の一つは弁護士でしょう。
しかし、弁護士になるための道のりは非常に厳しいです。
日本では、弁護士試験の合格率は非常に低く、数パーセント程度となっています。
さらに合格した後も、司法修習生として数年間の研修が必要となります。
また、弁護士以外の法律に関連する職業も競争が激しいです。
法学部の卒業生は多いですが、法律関連の職は限られています。
大学によって就職率は違いますが、文系の就職率が約97％、理系の就職率が約98％と言われています。
その文系の中で法学部の就職率は、約89％とも言われています。
さらに、法学部を卒業しても、法律の専門家になるためには、さらなる資格取得が必要です。
例えば、金融業界に就職するのであれば、法律以外の資格取得も必要でしょう。
そのため、法学部卒だけでは、専門的な法律職に就くのは難しい場合もあります。
参考：PORTキャリア【法学部におすすめの就職先は？ 主な進路や法学部必須の対策を解説】
学業の難しさ。法律に興味がないとつらい
法学部の学問は、広範で複雑な法律知識に基づいています。
例えば、民法では契約法、物権法、親子関係などさまざまなテーマにわたる法律ルールを学ばなくていけません。
法律の成立条件や無効の要因など、細かなルールと多くの判例を学ばなければならず、理解と記憶には相当な労力が必要です。
刑法でも、犯罪の成立要件や刑の種類、法定刑の範囲など、多くの法律条文と判例について習得する必要があります。
法学部の科目では、単に法律条文を記憶するだけでなく、具体的な事例に適用できるよう法律思考を鍛えなくてはいけません。
留年が多い。厳しい試験と学業負担の影響
法学部では、法律理論や判例研究などの複雑な学習内容となります。
法学の理解には高い思考力と時間が必要で、すべての学生が対応できるわけではありません。
加えて、厳しい評価基準と実践的なスキルの必要性も、留年の要因となっています。
また、資格を取得のために、あえて留年する学生もいるため、法学部の留年率は高くなっています。
留年せずに法律系の資格取得を目指すのであれば、効率的な学習スタイルの確率が重要です。
例えば、法律系資格取得のための講座・書籍・教材ショップの東京法経学院を利用するなど、在学中から資格取得をめざしていきましょう。
法学部が向いていない人
抽象的思考が苦手な人。複雑な理論への対応能力が必要
ロジック力は、法律の学習の中での論理的な思考や判断を行う上で非常に重要な要素です。
法律の勉強では、法規や判例を解析し、複雑な事例を分析するときに、一貫性のある論理的なアプローチが求められます。
また、法律の専門家としての業務では、事件や訴訟に関する事実を整理し、法的根拠に基づいて論理的な主張を構築する能力が必要です。
法律は抽象的な概念が多く、具体的なケースに適用する思考が必要です。
抽象的思考が苦手な人には厳しいかもしれません。
長時間の集中が難しい人。集中力不足は法学には壁
法学部では、膨大な量の法律テキストの読解や複雑な法律理論の理解など、長時間の集中が必要です。
集中力が続かない人にとっては、非常に困難となります。
また、法律の専門家としての業務も、長時間にわたる緻密な調査や分析、文書作成など、持続的な集中力が求められます。
そのため、長時間集中することが苦手な人には法学部は向いていません。
集中力はコツさえつかめれば、誰でも得られる技術でもあります。
秘訣がわからない人は、集中力を飛躍的に高める秘訣を解説した本などで学習することもおすすめです。
規則に縛られるのが苦手な人。法律の枠内での思考が必須
法律は規則や法律条文に基づいています。
法律は規則に従い、また利用して問題解決をしていく必要があります。
規則に縛られるのが苦手な人は向いていません。
自己管理が苦手な人。自己規律と時間管理の重要性
法学部の学習には自己管理が必要です。
計画的に学習を進め、継続的に努力できるかが重要です。
法学部に向いている人
強いロジック力がある人。倫理的思考が鍵
法律は論理的思考が必要です。
法律の原則や判例を理解し、それを具体的なケースに適用する能力が求められます。
読解力がある人。複雑な法律を読めることが前提
法律文書や判例、法律書など、難解なテキストを読み解く力が必要です。
法学は抽象的な学問であり難解な部分が多くあります。
過去の資料や判例、さらには国外の法律なども丹念に分析しなくてはいけません。
記憶力がある人。法律知識を保持する能力
法律は条文や法律用語が豊富です。
多くの情報を正確に記憶し、必要な時に引き出せる能力が必要です。
コミュニケーション能力がある人
法律問題の解決には、クライアントや関係者と効果的にコミュニケートする能力が必要です。
また、法廷での弁論や交渉では自らの主張を明確かつ説得力を持って伝えることが求められます。
法的文書を作成するときも、複雑な法的概念を明瞭に伝える能力が重要となります。
法学部が就職に苦戦する理由
法曹界への進路は競争が激しい
法曹界への進路を希望しても、非常に競争が激しく、限られた数のポジションのために多くの学生が苦戦します。
特に、弁護士の司法試験の合格率は低く、多くの学生が試験に合格するために何年もの準備を必要とします。
専門職以外へのキャリアパスの認識不足
法学部卒業生は法曹界以外にも就職先があります。
例えば、企業の法務部、行政機関、公務員、教育機関など、多くの分野があげられます。
しかし、法曹界以外の進路についての知識や情報が学生に十分提供されていないことが多いです。
専門職以外への就職先の認識が不足している状況で、他の学部の学生との競争となるため、法学部の学生は不利となりがちです。
実務経験やスキルセットの不足
法学部のカリキュラムは法律の原則、理論、歴史などに焦点を当てています。
ですので、実際の法律実務やビジネス環境で必要とされる実践的なスキルや知識が不足しがちです。
卒業後、実際の職場で求められる実務能力や職業的スキルに対する準備が不十分な状態で就職活動に臨むことになるため、他の学部の学生より不利となります。
まとめ
「法学部はやめとけ」と言われるのは、学業が難しく、就職も競争が激しいなどの理由があります。
ですが、、ロジック力や読解力があり、法律が好きな人にとっては、法学部は適した選択肢です。
最終的な決断は、自分の能力とキャリア目標を踏まえて慎重に行っていきましょう。
